我が家のおせちは九州と関東、それぞれの文化の味を生かしたオリジナル料理

伊達巻隠れる

33歳女性、専業主婦です。夫と幼稚園児の子供の3人家族です。今から8年前の、結婚して初めて夫と2人でお正月を迎えたときのエピソードです。

九州ではお雑煮にブリを入れる!文化の違いにカルチャーショック

私は関東地方の出身です。親は東北の生まれなので、その影響も少しは受けていますが、基本的に関東風のおせち料理やお雑煮を食べて育ちました。一方、夫は、九州の港町の生まれです。お正月を前に、年末の買出しに向かった段階で、お互いの文化の違いを実感してカルチャーショックに襲われることとなります。

「お刺身はブリを用意。お雑煮にも、ブリを入れて。更に出汁はするめと昆布で取って、中に入れるお餅は丸餅。」「そしておせち料理といえば欠かせないのは、がめ煮。」実は私の実家では、ほとんどブリが食卓に上ることはありませんでした。

どうやら母があまり好きではないことが原因のようですが、どちらにしても関東でブリはあまり馴染みがありません。お刺身はマグロが定番で、お正月なので贅沢しよう!というときには、茹でたカニが一番のご馳走でした。

でも、主人いわく九州では、お祝い事にはとにかくブリ。我が家では行われませんでしたが、地域によっては、息子が結婚した時には初めてのお正月にお嫁さんの家にブリを贈るのが当たり前、という風習もあるんだとか。

夫の好みをおせちに反映しつつも、私の大好きな伊達巻だけは譲れない

そして九州の「がめ煮」も、全く初めて聞く単語。よくよく聞けば、どうやら「筑前煮」と同じであることが判明。関東でもお煮しめを作るのは一般的ですので、こちらは材料を揃えるのにもそれほど苦労はありませんでした。

地域ごとの風習はいろいろあるからややこしいなあ!と思っていると、どうやら夫には、地域柄だけではなく味の好みでも食べたいものとそうでないものがあるようで…。「伊達巻とか、錦糸卵とか、甘ったるいものはちょっと…」「酢ばすやなますもあまり食べない」「数の子はたっぷりよろしく!あと田作りも!」本当に魚介好きなのですね。

かくして、夫の好みを聞きつつ、私もどうしても譲れない、外せないという物は確保して(伊達巻は大好物なので、絶対に入れたかったです)我が家流の、もはやどこの地域にも当てはまらない、オリジナルなおせち料理が完成したのでした。

育ってきた地域の文化を融合させて、新たな家庭を作っていくことって楽しい

たかがおせち料理ひとつでも、なんだか結婚というものの概念を象徴しているなあ…としみじみと感じました。お互いの育ってきた地域や文化、好みをすり合わせて、新しい家庭を作っていく。これはこれでとても楽しいものです。

ちなみに、年末年始は夫が仕事が忙しかったり、寒さや感染症が怖い…ということを口実に、実は一度も九州の義実家でお正月を迎えたことがないのです。よって、本物の九州風のおせちは、私はまだ未体験です。

いつか、義母の作る本場の味を、さながら答え合わせのように味わってみたいです。そして、作り方を習って我が家の味に取り入れるのもいいな、と思っています。

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