ネット通販でよく目にする冷凍おせち。普段冷凍しないお料理が冷凍されているため、美味しいのかちょっと心配になります。冷凍栗きんとん、冷凍数の子、冷凍煮しめなどなど、本当に美味しいのでしょうか?
「冷凍おせちだからか、美味しくない」そんな口コミを見ると不安になりますね。これはもしかしたら、解凍を失敗してしまったからかもしれません。冷凍おせちは解凍方法と解凍時間さえ間違わなければ、美味しいおせちです。今回は冷凍おせちのメリット・デメリットや解凍時間、解凍方法についてお話していきます。
【冷凍・冷蔵・常温おせち】違いは何?メリット・デメリット
おせちには、冷蔵、冷凍以外にも常温があります。それぞれのメリットデメリットを挙げていきます。
冷凍のおせち
■メリット
冷凍の一番のメリットは保存期間が長いということです。お届け日も自由に選べ、自分の都合のいい日、時間を指定できます。12月30日、31日は配送業者も忙しく、なかなか日付指定できません。冷凍であれば、そんな忙しい時期を外して配達してもらうことができます。
そして、みんなで集まる予定が変更になった。そんな急なスケジュール変更にも対応できます。冷蔵だと日が経てば経つほど味は落ちていきますが、冷凍は解凍さえしなければ美味しさをずっと保つことができます。
■デメリット
保管場所と解凍時間がデメリットになります。保管場所は冷凍庫になります。冷凍庫はどのご家庭もパンパンだと思います。お重の大きさは3~4人前で一辺が約20センチ、高さも約15~20センチ。大盛冷凍パスタを5つ寝かせて並べても、まだ足りません。そんな大きさのお重を数日冷凍庫で保存しなくてはなりません。
一番のデメリットは、解凍時間です。小さいおせちでも20時間はかかってしまいます。たまにベランダで解凍する方の口コミも見ますが、どの業者も基本は冷蔵庫での解凍を勧めています。
冷蔵のおせち
販売されているおせちの多くは冷蔵になります。
■メリット
やはり、解凍の時間がかからない、冷蔵庫から出してすぐに食べられるのは最大のメリットです。お正月は忙しく、おせち以外のお料理を用意することも考えると、この手軽さは魅力的です。
届いてから食べるまでは、冷蔵庫で2日ほど保存がきくのもメリットです。たとえ残ったとしても、やはり2日程度冷蔵庫で保存できます。そして意外と大きいのがお重。冷蔵室であれば、なんとかして入れられます。
■デメリット
味付けが濃くなってしまうのは、冷蔵ならではのデメリットです。賞味期限まで美味しさを持続させるために、どうしても濃い味付けになっていまいます。
そしてお重に詰められているお料理すべてが冷たいことも挙げられます。一部のおせちには、いくつかのお料理だけレンジでチンできるものもありますが、やはり冷たい。そのため、我が家では温かいお雑煮と一緒に食べます。
常温のおせち
常温は、近所のスーパーやお惣菜専門店などで販売されていることが多く、食べる当日に店舗で受け取るおせちになります。
■メリット
解凍や保管の手間がないこと。開けてすぐに食べることができます。温かいお料理は温かく、冷たいお料理は冷たく食べられることは嬉しいですね。
■デメリット
その分日持ちがしない、食べる直前に受け取らなくてはいけないことがデメリットです。おせちを食べる時間の2時間前が受け取り時間になるお店もあります。例えば13時から食べるとします。受け取りはその2時間前の11時になります。受け取りはその他の予定も考慮し、9時に行きたいのに…といった融通がきかないのもデメリットです。
そのため、常温は取り扱っているお店も少なく、今はほとんどのおせちが冷蔵か冷凍になります。
冷凍おせちを美味しく解凍する方法
冷凍のおせちは、2つのルールを守れば美味しく解凍できます。その2つのルールとは、温度と時間です。この2つを守れば、作りたてのおせちの味を楽しむことができます。
一定の温度で解凍
日本で販売されている冷凍食品は、-18℃以下で保つことが義務付けられています。冷凍おせちも-18℃以下で保たれ、私たちの家に届きます。一般家庭の冷凍室は-18℃。届いてすぐに冷凍庫に入れれば、美味しさをキープできます。
美味しく解凍するのに大切な温度は、冷蔵室の温度約5℃です。約5℃を時間いっぱいまで保たなければなりません。一番ベストなのは冷蔵庫を極力開け閉めせずに解凍することですが、そんなこと無理ですよね。そんな時はおせちを入れる場所を工夫しましょう。
冷蔵室は上の棚と下の棚で微妙に温度差が生まれます。冷たい空気は下に溜まる性質があるため、より低い温度を保てるのは下の棚。おせちを解凍する際は、冷蔵室の下の棚の奥に入れてください。
絶対にやってはいけないのが、部屋に置きながら解凍する常温解凍と電子レンジです。常温解凍は、お料理に細菌が繁殖してしまいます。美味しさを損なうだけでなく、お腹も壊してしまいます。お正月早々、体調不良になることは避けたいですね。電子レンジは、満遍なく解凍することができないため、解凍ムラを引き起こします。
解凍にはじっくり時間をかける
最近の冷凍おせちは、お料理が個別にパックされているのではなく、すでに盛り付けられた状態で届きます。そのため、お重ごと冷蔵庫に入れて解凍します。個別でパックされていればもう少し短い時間で解凍できますが、お重ごとなのでどうしても解凍に時間がかかります。
小さめの2~3人前おせちで約20時間、4~5人前になると最大で約48時間が解凍の目安になります。冷凍おせちを美味しく解凍するには「じっくり」が必要です。たくさんの料理が詰められているおせち、料理によって解凍時間は本当はバラバラです。一番解凍時間のかかる料理とその量に合わせて解凍時間が設定されます。
冷凍おせちの解凍時間は、必ず同封されている手紙もしくはサイトに明記されています。おせちが届いたら、まず解凍時間を確認してください。食べる時間から逆算して、解凍を始めましょう。
まとめ
- 冷凍おせちは、解凍温度と時間を守れば美味しい
- 部屋やベランダでの解凍は避ける
- 解凍にはじっくり時間をかける
おせちは冷蔵が主流になりつつあります。やはり冷蔵おせちは解凍の手間がない分、扱いやすい印象があるからでしょうか。そんな中でも美味しさにこだわり、冷凍おせちを提供している業者もあります。
冷凍のメリットには、細菌が繁殖しない温度で保管するため余計な添加物を使わなくていいことも挙げられます。素材の味を生かし、出来立てを堪能できる冷凍おせちは、解凍さえ失敗しなければ美味しく食べられます。
冷蔵室の下の棚の奥に入れ、指定された解凍時間をじっくり待ちましょう。冷凍おせちに焦りは禁物です。冷凍おせちは、温度と時間を守って解凍すればとても美味しいおせちです。