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母と手作りした伊達巻、大晦日のおせち作りは私と母の楽しい思い出


39歳の女性です。それは今から30年前、まだ私が子供の頃のことです。毎年、大みそかに母がおせち料理を手作りしていました。私は母が作る伊達巻きがとても好きでした。ちょっと甘くて、子供にも食べやすく美味しかったのです。

伊達巻き作りを手伝うことに有頂天♪でもはんぺんをすり潰すだけで一苦労

その年も台所で母が伊達巻きを作るのをそばで見ていました。すると、母は「今年は手伝ってみる?」と聞いてきたのです。私は喜んで「手伝う!」と言いました。大好きな伊達巻きを、自分で手作りすることができるなんて。料理なんてしたことがなかったけど、自分も作れるようになったらちょっと大人に近づけるような、そんなワクワクした気持ちでした。

まず、はんぺんをすり鉢ですり潰しました。はんぺんは柔らかいのに、潰そうとしてもなかなか滑らかになってくれず、大変でした。あのしっとりした伊達巻きの食感を出すには、しっかり潰さないといけないと母に教えられ、頑張ってすり潰しました。

伊達巻きってこんなに大変だったんだ…毎年おせちを手作りする母に感謝

潰したはんぺんに、卵を混ぜて、フライパンで焼いていきます。母が隣で教えてくれて、なんとか焼くことができました。さすがに最後に伊達巻きを巻く作業は無理だと思い、母にお願いしました。失敗作だと家族から責められると嫌だなと思ったのです。そう考えると、母は毎年失敗もせずおせち料理を作っていてすごいなと思いました。

母は毎年、伊達巻き以外にもおせち料理を作っていまいしたが、一品作るだけでこんなに大変だなんてその時まで全く知りませんでした。できたものを食べるだけだったらずっと知らないまま大人になるところでした。この時、母の大変さを知ることができて本当に良かったです。

自分で初めて手作りした伊達巻きを、出来立てのうちに味見してみました。するといつも食べているものより美味しく感じられました。自分で頑張ったという経験が、より美味しく感じさせてくれたのでしょう。自分で作ったという充実感もありました。そしてこの年から、毎年大みそかの伊達巻き作りは、私も手伝うようになったのです。

大みそかになると思い出すのは、紅白を観ながら母と手作りした伊達巻きの味

今は結婚して、母の手作りの伊達巻きを食べることはなくなりました。母のように自分でおせち料理を作る自信はなく、買ったものを食べています。しかし母の味には遠く及ばず、食べるのは家族に任せて私は少しつまむ程度です。特に伊達巻きは私自身の思い入れもあるので、母と私で手作りしたものでないと食べる気がしないくらいです。

結婚してしばらく経ちますが、毎年大みそかになると伊達巻きのことを思い出します。紅白歌合戦を見ながら、母と楽しくおしゃべりしながら手作りしたあの時の思い出は、ずっと忘れることはないでしょう。

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