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手作りおせちの中で毎年残る栗きんとん。祖母から飲み込みにくいと不評


私の祖母は少し遠くに住んでいるので普段はあまり会えませんが、正月は毎年私の実家で親戚が集まります。足腰は大分弱ってきましたが、まだまだ元気な祖母は電車を乗り継いで実家まで遊びに来てくれるのです。

手作りおせちを楽しみにしている祖母。ただ栗きんとんだけは箸が進まず

私には息子が2人居ますので、祖母からすれば可愛いひ孫ということで、暴れん坊のひ孫達に会うのも楽しみだそうです。そして、祖母の楽しみはもう一つあり、それは私の作るおせちなのです。

祖母は、どのおせち料理も美味しいと食べてくれますし、特に筑前煮が上手い!と褒めてくれるので、私も毎年作り甲斐があります。ただし、栗きんとんだけは食べてくれないのです。正確には、一口食べて次の一口は無い…という感じです。よくよく考えると、祖母だけではなく他の家族も、私のつくる栗きんとんはあまり好きではないのです。

皆、何となくは食べるのですが、他のおせち料理に比べて栗きんとんだけ残ります。一応全て手作りをしているので、実は毎年凄く悔しかったのです。私の作り方は、サツマイモに砂糖を加えて茹で、ザルに上げて潰して茶巾にします。そして上に栗の甘露煮を載せるという非常にシンプルな栗きんとんでした。

飲み込む力が弱い祖母のため、栗きんとんを裏ごしして滑らかさを追求

祖母に美味しい!と言ってもらいたくて、思い切って「栗きんとん美味しくない?」と聞いてみると、祖母は「ちょっと飲み込みにくいかな?」と言うのです。確かに祖母は90歳近いので、飲み込む力が弱っており、たまに普通の焼き芋でもむせる事がありました。なるほど!滑らかさが足りないのかな?と思い、次の年は栗きんとんの作り方を変えたのです。

サツマイモを茹でて潰して…という工程に、「裏ごし」を加えました。裏ごしをするだけでかなり滑らかさはアップしました。この年は…というと、前よりは食べてくれたのですが「美味しい!」という一言は聞けなかったのです。子供達は前より美味しいと言ってくれたのですが、祖母にはまだまだ飲み込みにくいようでした。

生クリームと三温糖で滑らかさを更にアップ。やっと祖母の美味しいが聞けた

おせちでこんなに悩んだことはなく、どうしても「美味しい!」と言わせたくて、今年は例年よりも真剣に考えて栗きんとんを作りました。滑らかさを更に追究して、甘みも濃いめにしようと考えた結果、生クリームと三温糖を加えるという工程を追加したのです。

これが祖母に大ヒットして、初めての「栗きんとん美味しい!」を聞くことができました。
栗きんとんと言うよりはスイートポテトに近いのですが、飲み込む力が弱ってきた祖母には丁度良かったみたいです。祖母の「美味しい」が聞けたので、来年も手作りしたいと思います。

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